かなしみ/時間/たけくらべ

もうすぐ五月も終わる。

五月病にもかかったのかかからなかったのか分からないくらいにはいつも病んでいる。

いつからこうなったのか、どうしてこうなってしまったのか、とてもかなしい。

 

若いときの数年前なんて大昔だし、数ヶ月前だってすごく昔のことのようで、中学一年生も大学一年生も同じ程度で大昔という気がするのだった。

歳を取ると時間が過ぎるのがあっという間だとよく聞くけれどほんとうだろうか。

 

時はいつも同じ速さで進んでいるのにわたしたちの感じ方はこんなにも違う。

同じ速さということにしてはあるけれど、体感を信じれば時はいつも違う速さで進む。

そう、わたしたちは常に感じて生きているのだし、何事も感じ方がとても重要で、感じ方をうまくコントロールできるようになればこっちのもんなのだろう。

 

この鬱々とした日々がはやく終わりますように。

時がまた穏やかに流れますように。

 

 

樋口一葉の『たけくらべ』を読み直した。

松浦理英子の現代語訳で、原文と句読点を変えずに訳してあるというやつを前に買って持っていてひさしぶりに。

 

 

フェミニスト/電話/朝を待つ

数日前に『みみずくは黄昏に飛び立つ』を読んでみた。

村上春樹については詳しく知らないし(『ノルウェイの森』は大好き)、新作も読んでいないので少しわからないところもあったけれど、相変わらず川上未映子のエネルギッシュな感じにまた感動するばかりだった。

 

川上未映子がその中で「女流作家」について話していた。

「男流作家」とは言わないのになぜだと。

 

後日、友だちと電話をしていてそのことを思い出した。

そして、川上未映子フェミニズムについて話した。

前に川上未映子は「男女差別に反対する人すべての人はフェミニスト」と記事で言っていたよと友だちが教えてくれてなるほどと思った。

それから、切符と筆箱の話をしてくれた。

切符は切らないし、筆も入れないけど、切符って言うし筆箱っていうように、言葉と思想は離れていく、という話をしてくれた。

 

その他にもいつもおもしろい話をしてくれるので恋人ともこういう話をするのかと訊いたらそうだと言っていて羨ましかった。

みんなは好きなひととどんな話をしているんだろう。

 

 

 

本日は『恋しくて』を完読。

ペーター・シュタムの「甘い夢を」とリチャード・フォードの「モントリオールの恋人」が良かった。

 

ひとりで眠れないので本を読んで朝を待った。

 

 

木曜日/お母さん/これから

わたしの21歳の誕生日に友だちが「木曜日の難破船 ベッド号の少女」と題して手紙を書いてくれたことがある。

わたしは木曜日にダメになる。

いつも今日はなんかダメだなあと思ったら木曜日なのだ(木曜日じゃなくてもダメなときはもちろんあるけれど)。

 

 

お母さんに電話をしてベッドに来てもらった。

今のこと、これからのことを話した。

今まではこういう風にお母さんと話すことができなかった。

喧嘩も多かった。

お母さんもわたしも今みたいに柔軟ではなかったから。

わたしが今みたいになってしまってから、つまり病んでしまってから、良かったことはお母さんときちんと話せるようになったことだと思う。

強がらずにつらいときにつらいと言えるようになったし、それをお母さんも分かってくれるようになった。

 

これからのことというのは主に大学のこと。

予定では今年の9月に復学して卒業をする。

そして卒業が決まったら就職活動をする。

という感じなのだけど、今の状況から現実的に考えることはできないし、毎日不安に襲われる。

毎日のんびり過ごしているけれど、こんな風に社会から遮断された生活をしていると、もうずっとこのまま社会から遠ざかってしまうんじゃないかとそういう風にしか考えられなくなる。

あの大学に戻りたくないというのが本音で、なんせ数年間あの土地であの大学でとてもつらい思いをしたから、また体調が悪くなってしまうのではないかとか、また学校に行けなくなるんじゃないかとか、一層の事、もう中退してしまえば気が楽になるんじゃないか、と考える。

でも、どう考えても大学は卒業した方がいい、というかしなければ!という思いはあり、二転三転するのだった。

 

 

 

 

UN AMOUR DE JEUNESSE

お昼に映画を観た。

もう何十回も観ているもので、これまでに観た中で一番好きな映画だ。

ミア・ハンセン=ラブの "UN AMOUR DE JEUNESSE" 。

瑞々しい。

一生に一度、こういう映画に出会えればもうそれでいい。

わたしは出会ってしまったのだ。

 

わたしが20歳のときバレンタインデーの夜に京都みなみ会館であったオールナイト上映で初めて観た。

出会ってしまった。

これと『ブルーバレンタイン』、『メゾンドヒミコ』、『パーマネント野ばら』の4本立てだった。

泣きながら帰ったのを覚えている。

 

それからまた観たくなり早速DVDを買おうと思ったけれど、日本ではDVD化されていなくて買えなかった。

それからしばらくして、ある日、大学の授業後に先生と映画の話になった。

そのことをふっと話すと、調べてみるとベルギーではDVD化されていたから買っておいたよ、と何週間後かにプレゼントしてくれたのだった。

そんなうれしい思い出付きの映画。

それからまたしばらくしてようやっと日本でもDVD化されたので買ったので、2本ある。

 

今日も好きなシーンを繰り返し観た。

エンディングの曲もとっても良くて詩をノートに書いたりしていた。

余韻に浸る。

 

 

 

The Water

 

All that I have is a river
The river is always my home
Lord, take me away
For I just cannot stay
Or I'll sink in my skin and my bones

The water sustains me without even trying
The water can't drown me, I'm done
With my dying

Please help me build a small boat
One that'll ride on the flow
Where the river runs deep
And the larger fish creep
I'm glad of what keeps me afloat

The water sustains me without even trying
The water can't drown me, I'm done
With my dying

Now deeper the water I sail
And faster the current I'm in
That each night brings the stars
And the song in my heart
Is a tune for the journeyman's tale

The water sustains me without even trying
The water can't drown me, I'm done
With my dying

Now the land that I knew is a dream
And the line on the distance grows faint
So wide is my river
The horizon a sliver
The artist has run out of paint

Where the blue of the sea meets the sky
And the big yellow sun leads me home
I'm everywhere now
The way is a vow
To the wind of each breath by and by

The water sustains me without even trying
The water can't drown me, I'm done
With my dying

 


私の心に流れる川
私が常に帰るべき場所
主よ 私を連れてって
ここには いられないから
ここにいても ただの抜け殻
川の水が支える私の命
決して溺れない
死にかけている私とは おさらば
小さな舟を作るわ 手を貸して
その舟で流れに乗ろう
川底は奥深く
大きな魚たちが潜むところ
その上を静かに漂う私
川は自然に私を生かす
溺れることはない
もう死ぬ覚悟は できているから
川は どんどん深くなり
流れも どんどん速くなる
夜ごと 満天の夜空
私の心を流れる歌
旅人たちの道連れに
川の水は私の命の水
溺れることはない
すでに死と 手を切っているから
陸地の思い出も 過去の夢
はるか彼方の線が 消えつつある
幅広く流れる私の川 銀色に輝く水平線
画家に残された絵の具はない
紺碧の空と海が 混じり合うところ
黄色く輝く太陽を 追って 家路につく
今や私を 縛るものなどない
ただ 心に誓う
そよぐ風に 身を任せて進むと
川の水が支える私の命
溺れることはない
死にかけている私は もういない

暇/16時のカフェ/スーパーにて

今日も昼過ぎに起き上がって、それから準備をして図書館に行った。

本を返して、ヴァージニア・ウルフの『ある作家の日記』を借りた。

 

『新潮』の6月号に古井由吉又吉直樹の対談が載っていたので読んだ。

わたしが若い頃なんかは暇があったけれど今の時代は流れがとてもはやい、それにみんな限界を感じてきていてこれからは暇ができる時代が来るのではないか、と古井由吉は予想していた。

わかる気がする。

そうなると例えばコンビニだってファミレスだって24時間じゃなくなるだろうし、みんながすこしずつ我慢しなきゃいけないけれど、ちょっと不便になってもみんながのんびり暮らせるほうがいいとわたしは思うかも。

 

図書館まで家から徒歩で25分くらい。

歩くときはいつも考え事をしているのですこし憂鬱だ。

帰りなんかついに感情が暴れ出してしまった。

一度暴れ出すとなかなか困ったことになる。

なにがつらくてこうなっているのかわからないままどばどばと感情が溢れ出る。

これはビョーキですよと言われても、やっぱり自分ではどうすることもできないし、ほんとうにそうなのか、いや、これはもともとのわたしの性格によるものなんじゃないのかとまたぐるぐる考えてもわかりません。

いつものごとく、考えても仕方がないのでとりあえずお茶でもしましょうかと帰り道にあるカフェに寄って、ブログを書いたり本を読んだりしようと思っていたのだけど、閉まっていた。

定休日ではなく、どうやら14時までらしくてなんというやる気のないカフェだろう。

こうやってお客は離れて行くのだ。

 

それなら家でお茶するかと思って、お菓子を買いにスーパーに寄ってぐるぐるしていたけれど、結局なにも食べたくないような気がしてそのままなにも買わずにスーパーを出た。

よくあることだ。

 

家に帰って来るとかわいい愛犬×2がおやつを欲しそうにこちらを見てくるのでおやつをあげて撫でさせてもらった。

わたしは冷蔵庫の冷えたオレンジ色のメロンを食べた。

 

 

 

 

 

人の日記/人のブログ/徒歩12km

今日は天神で夜ごはんを食べる約束があったのでそれまでひとりでお茶しながら本を読んでいた。

『映画という《物体X》』というアーカイブの本を読んだ。

はじめの方をよく読んでみた。

おもしろくて買うか迷いながらぱらぱらめくってみると日記が書いてあるページがあったので読んだらおもしろい。

人の日記を見るのはやっぱりおもしろい。

 

日記といえばスーザン・ソンタグの『わたしは生まれなおしている』、日記とノート。

ほんとうにつらいときにこれを買ってこれを読んだとき、救われるような気持ちになったのを覚えている。

数ヶ月は毎日バッグに入れて持ち歩いて愛読していた。

それから最近読んだのは町田康の『真実真正日記』でこれがまたおもしろかった。

 

ブログを見るのも好きだ。

ツイッターでフォローしている人のブログはだいたい見ている。

生活の記録のようなもの、仕事の日記、思ったことを書き連ねたもの、どのタイプのブログも好きで読んでしまう。

人のブログを見ていると自分もやりたくなってこれを始めてしまった。

 

という感じなので、日記を見せてもいいよという人の日記はめちゃくちゃ見たいし、ブログをやっている人はどんどん更新してほしいと思っている。

 

人の日記はかわいい。

 

 

ちなみに今日は天神でピザとポテトを食べお酒を飲んで、薬院まで歩いてロイヤルホストさくらんぼとキャラメルのパフェを食べた。

そしてなんとなんと12km歩いたよ。

ふえー。

 

 

 

 

 

ショート/ロング/彼氏

髪型といえばころころと変えてきたのは最近で、高校まではロング、超超ロング

引きずるくらいのロングだった。

その昔、小学生低学年には超超ショートでよく男の子と間違われていたくらいのショートカットだった。

 

大学に入ってからできた彼氏がショートカットの女の子が好きだというのでわたしはなんの迷いもなくバサっと髪を切ったのだった。

そのあともショートヘアが好きな男の子と付き合いずっとオン眉にしてみたりパーマをかけたり金髪にしたり銀髪にしたりして、現在はロングを目指してセミロングなのだけど、ロングまではあと数ヶ月はかかるかなあ。

 

昔から顔の輪郭がコンプレックスで髪型には細心の注意を払っていたのだけど、ショートカットにしてもロングヘアにしてみてもどうも似合わないような気がして22年も生きてきていまだに似合う髪型が見つからないでいるのだった。

 

ほんとうならイーディーみたいにベリーショートでぺたーっと寝せた髪でかっこよくミニスカートを履いたり、ジェーンバーキンみたいに無造作にロングヘアでかわいく籠バックをもったりしたい。

 

とは思いつつも無理なのは分かっているので、どの髪型が一番似合うのか日々研究を重ねているわけだけど、ここ最近では地毛黒髪のセンターわけのロングというのが一番良いのではないかということになっており、前髪後髪全髪の毛を伸ばしているところ。

黒髪センターわけのロング。

 

でもまあこれからショートカットが好きな男の人を好きになることなんかがあればわたしは迷いもなくショートカットにするのだろうと思う。

それでいいと思う。

というか、そんな女でいたい。